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ワンナウツの「インチキナックル」は本当に曲がるのか!?

みなさんは野球漫画『ワンナウツ』をご存じだろうか?

 

ワンナウツ甲斐谷忍の野球漫画。野球経験皆無ながらも、沖縄の賭け野球「ワンナウト」で無敗だった博打の天才 渡久地東亜(以下 渡久地)プロ野球球団「埼玉彩珠リカオンズ」のオーナーと「1アウトとると500万円がオーナーから支払われ、1点取られると5000万円をオーナーに支払う」というワンナウツ契約を結び、3種類の回転が異なるストレートとギャンブル仕込みの勝負勘を武器に荒稼ぎする様子を描いた作品。作中ではギャンブルで培ってきた洞察力などで対戦相手の弱点や不正を見抜くシーンも多く描かれている。

この漫画、本当に面白くて高校在学中には全クラスを跨いで単行本の貸し借りが行われました。ですが、1つだけ疑問を抱いたシーンがあります。そのシーンが「インチキナックル」のシーンです。

インチキナックルとは

インチキナックル編 あらすじ

渡久地の所属するリカオンズは神戸ブルーマーズと対戦する。ブルーマーズにはボールを無回転で投げることによって生じる空気抵抗によって、不規則に変化する「ナックルボール」を武器に三振の山を築くスコット・ウィリアムズが在籍していた。ナックルボールはボールが不規則に変化することから、ひとたび投げられるとバットに当てる事すら困難である。そんなナックルボールを投げるウィリアムズに対し意気消沈のリカオンズベンチであったが、渡久地はナックルの「トリック」に気づく。

ちなみに、ナックルは実在する変化球で、揺れながら落ちるためかなりバットに当てにくいらしいです。しかしながら、不規則な変化故にコントロールが難しいことから実際のプロ野球で投げる投手は少なく、現在NPBでは広島カープの育成選手である坂田怜のみが実践で使用している珍しい球種です。

では、渡久地が気付いたそのトリックとはどのようなものだったのでしょうか?実際の漫画のコマを引用しつつ解説していきます!


出典:甲斐谷忍ワンナウツ』8巻

 

つまりは、ボールに水を注射することで重心をボールの中心から外して、ボールの軌道をブレさせるという仕掛けです!

でも、実際こんなにうまくいくのでしょうか?あいにく私は文系で、物理演算などはできません。ならばやってみるのみ!実際に偏心ボールを作って実験してみましょう!

 

偏心ボールを作ろう!

検証のために用意したのは練習用の硬式野球ボールと手芸用の注射器。ボールについて、NPBの公式戦で使用できるものは高額過ぎたため、こちらで代用します。

このボールに注射器を使って水を注入していきます! が…

硬式球の表面は革で覆われており、針がうまく刺さりません…

仕方がないので下GIFのとおり先に穴をあけ、

そこに針を刺す方法で水を注入しました。



よし、入った!それではこの偏心ボールを使って実際に検証していきましょう!!!

 

検証

検証方法 「ワンナウト」のルールで1打席対決をしながら、ボールが曲がるかどうか検証する。投手は1球ごとに投げるボールを「通常ボール」と「偏心ボール」より打者から見えないように選択する。

 

ワンナウトのルール

・打者と投手の1対1で1打席勝負を行う。

・外野までボールがノーバウンドで到達する、もしくは四死球で打者の勝利。

・三振もしくは打球が外野まで届かなかった場合は投手の勝利。

・ホームベース後方にストライクゾーンと同サイズのボードを設置し、そこにノーバウンドでボールが当たればストライク、当たらなければボールとする。

ボールは用意したものの、ピッチャーがいなければ始まらない!と、いうことで今回の検証にピッタリな協力者を用意して、対戦していきましょう!

 

 

投手 シェリー(仮名)

ステータス

・中学高校時代は陸上部に所属しており、高校時代には関東大会にも出場。

・部活としての経験はないものの趣味は野球で、ストレートの最速は125㎞/h

・2023年の文化祭で行われたソフトボール大会ではエースとして出場。投打において活躍し、チームを優勝に導いた。

コントロールも抜群。

 

打者 わんこそばf:id:wankosobawankosoba:20240325172120j:image

ステータス

・野球経験なし

・ストレートの最速は85㎞/h。バッティングセンターのストラックアウトで良い点を出して景品をもらいに行ったのに、店長から「遅すぎる、腕を振れ」と怒られたことがある。

・2023年度の大学祭では今回投手を務めるシェリーとともにソフトボール大会へ出場したが、10打数1安打(内野安打)というチーム内最低の成績を残しつつ、年上という理由だけで全試合フル出場した。

 

いざ勝負!

 

※この撮影はヘルメットその他防具着用の元安全面に最大限配慮して、また「最悪怪我したらそれをオチにすればいいや」という覚悟のもと行われております。改造したボールを使用することは大変危険ですので絶対にマネしないでください。

 

1球目



偏心ボールを選択しての1球目…

 

いつもとボールが違うからか、低めに大きく外れてボール。

かなり低めに外れたせいか、揺れは感じませんでした。

 

2球目

通常のボールを選択した2球目は、アウトコース目いっぱいの緩い球でストライクを取り1ボール1ストライクに。

 

しかしながら、通常ボールを選択した3、4球目は

 

いずれもボールとなり3ボール1ストライクというバッター有利のカウントに…

 

5球目

このままでは偏心ボールの性能が分からないまま検証が終わってしまう…そして偏心ボールを手に取った第5球…

 

ストライク!…ですが、ボールは揺れていないような…

 

6球目

そして偏心ボールを手に取りフルカウントから投じた6球目…

空振り三振!!!!!!!!!!!!!!!!! !   !     !…

 

揺れて…ない?

 

水を注射してもボールって揺れないんだ。いや、ちょっとまて、原作ではもう一つのボールがあったよな…

そうだ 釘、刺そう。

釘を刺したら水を注射するより揺れそう!鉄だし!

ということで原作と同じ7本の釘を刺した偏心ボール改を用意して泣きの1打席!

 

1球目

 

釘ボールを選択した1球目…

アウトロー目いっぱい、プロスピ並みのコントロールに手が出ずストライク!しかし、揺れは感じません…

 

2、3球目は

いずれも低めに外れてカウントは2ボール1ストライク。

 

4球目

 

そして投じた4球目(釘ボール)

見逃せばボールという、低めの緩い球に手を出して空振り、カウントは2ボール2ストライクとなります。が、やはりボールは揺れていません。

 

5球目

そして迎えた5球目(通常ボール)…



ストライク バッターアウト!!!!!!!!!!!!!!!!

 

いや、通常ボールのボール球に手を出してアウトになるんかい。

 

検証結果

ボールに水を注射しても、釘を刺してもナックルは投げられない

 

ちなみにこのあと全球通常ボールで真っ向勝負したら…

普通に三振でした。

 

 

よく考えたら、ボールが揺れながら落ちないとこの記事もうまく「オチ」ませんね…

 

仕方がないのでこちらの画像をご覧ください。

 

 

 

 

と、いうことで広島カープの坂田投手にも制球が難しいとされるナックルボール繊細なコントロールを身につけて活躍してほしいですね!

 

~完~